なぜモンゴルなのか?




前回のインド旅行から数週間後、オレはインドの思い出にひたりきっていた。
目を閉じれば浮かんでくる、インド商人たちと怒鳴りあった日々...

じゃなかった、四千年の歴史を伝える遺跡たち。
ファテープルシークリー、アーグラー城塞、そしてタージ・マハル。


インド遺跡のあのすばらしい建築様式は、いったいどこから生まれたのだろうか? オレは無性に知りたくなってきた。
調べて分かったことであるが、タージ・マハルなどの遺跡は「ムガール帝国」という、かつてインドで栄えた帝国によって築かれたものらしい。そして、このムガール帝国とはモンゴル帝国の末裔によって建てられた国であるという(「ムガール」とは「モンゴル」がなまった言葉)。
モンゴル帝国の遺跡を見ればムガール帝国の遺跡のルーツをつかめるかもしれない。
オレはいつか行きたい国リストの中にモンゴルを加えていた。


そのころオレは、インド遺跡のすばらしさとインド商人のすさまじさを、会うひと会う人に話していた。
だが、周囲の反応は今イチだった。
「そんなの、よその国行っても同じだよ」
「ヒドいヒドいって、実はたいしたことないんじゃないの?」
「まぁ、お前は世間知らずだからなぁ」



はて、オレは世間知らずだったのか?
インド商人のしつこさを世界ワーストクラスと思ったのも、オレが世間知らずだからなのか?

インド旅行記でも書いたことだが、オレは前回のインド旅行が人生初の海外旅行であった。そのため、他の国と比べてどうなのかという比較ができない。なので、周りからこのようなことを言われても反論ができないのである。
インド商人は本当に世界ワーストレベルのしつこさを誇るのか? それを検証するためにはインドとは別の、まったく異なる国へ行ってみないと分からない。しかし、いったいどこへ?


まったく見当がつかなかったので、とりあえずインドについて不満だったところ、物足りなかったところをあげていき、それを切り口に行き先を考えることにした。
インドの不満ならいっぱいあるぞ。あのインド商人、あのインド商人、あのインド商人...






インド商人のことは忘れよう。



そういえばインドでは、周りの景色が物足りなかった。
この写真を見ていただきたい。


前方に荘厳と佇むマハラジャの宮殿。そして、その後方の山にそびえる城壁(アンベール城)。
一見するとインド遺跡のすばらしさを伝える一枚であるが、ここで言いたいのはそれではなく後方の山々に緑がまったくないということである。
他へ行ってもこんな感じで、移動中に外を眺めても土砂がむき出しになったハゲ山ばかりが目に映り、欝蒼と樹木が生い茂る日本的風景に慣れ親しんだオレにはいささか物足りなく感じた。
次の旅行は自然が豊富な国に行きたい。

それからバスに乗ってるだけで目的地に到着するというのも退屈で物足りなかった。
できれば外に出て異国の空気を肌で感じ、自分の力で目的地を目指してみたい。
例えば馬に乗って観光地へ向かうツアーがあったらどんなにおもしろいだろうか?



思えばこのとき、「自然」「乗馬」という言葉がキーワードに浮かんできたのは、「次の旅行はモンゴルに行け」というお告げであったのかもしれない。
ここで、

「目指せモンゴル帝国の古代遺跡。大自然を往く乗馬トレッキングツアー」

という旅行にすれば

・モンゴル帝国の遺跡を見たい
・自然が豊富な国に行きたい
・自分の力で目的地を目指したい

というオレの欲求をすべて満足するではないか(おぉ)。よし決めた、これにしよう。


今回のモンゴル行きはこのような形で決まったのでした。





<TOP
NEXT>