![]() お馬で目指す遺跡への旅(前編) |
| 澄んだ青空、どこまでも続く草原。モンゴルに来てすっかりおなじみの光景が目の前に広がっている。 オレの前に連れられた一頭の馬。鞍にまたがり乗り心地を確認する。 「進め」 馬腹を蹴って馬に命令した。乗馬トレッキングのはじまりである。
オレたちはこれから、モンゴル帝国の遺跡へと向かう。カラコルムを出発して、モンゴルの自然やオゴタイハーン(モンゴル帝国二代皇帝)の隠し湯とされる温泉を楽しみながら、四日かけてカラコルムにあるエルデニ・ゾーという古代寺院を目指す。 「何で直接(遺跡へ)向かわないのか!?」とか「わざわざ温泉に立ち寄る意味があるのか!?」などいろいろツッコミもありそうだが、途中の障害が多いほうが旅は盛り上がるものである。 考えてもみてほしい。たとえば、 ”カラコルムで馬に乗った。数分後、目の前にあるカラコルム遺跡に到着した” という話だけで終わったら、なんとも味気なく、つまらない旅行記になってしまわないだろうか? ムダ話がない分、そっちのほうがいい と思う人も半分くらいはいるかもしれないが。 話を戻そう。モンゴルの馬は日本の馬よりも一まわり、二まわりほど小さい。だいたい人間の子どもと同じくらいの大きさである。 小柄な分だけ歩幅が小さく、日本の馬に比べると走っているときの縦揺れが小さく扱いやすい。だいたい半日ほど乗っていたら、草原を自由に駆け巡れるようになる。 なお、オレが参加した乗馬トレッキングは遊牧民の現地人たちが先導してくれて、ところどころ(だいたい5〜10キロおき)にある休憩ポイント に立ち寄りながらその日のキャンプ場を目指すというシステムであった。おそらく、他の旅行会社でも同じようなトレッキングを企画していると思う。 大自然で馬を乗り回すのはやはり楽しい。果てしなく広がる大草原、どこへ走らすのも思うがまま。行く手をさえぎるものは何ひとつ存在しないのだから。 教習所の狭い空間で練習していたときには絶対に味わえない爽快感を、モンゴルの大草原では味わうことができる。
「ビルグーン、あそこの丘まで競争しよう」ふたり並んで馬を走らせる。真剣な表情の彼女を見て、負けるものかとオレもムキになる。 そして、目指す丘まで同時にゴールイン。 彼女がオレに微笑みかけてくる。その笑顔が何とも愛らしい。 丘の先にも広がるモンゴルの草原。そこに吹きぬける涼しい風は、自然の息吹のように感じとれる。 あぁオレは今、モンゴルの自然と、ビルグーンとひとつになっている(一部妄想アリ)。 「しゅんさん、あそこに立ち寄りましょう」 彼女が指差す先に一軒のゲルが見えた。 突然の来訪にもかかわらず快いもてなしを受ける。 「さぁ、長旅で疲れたでしょう。これをどうぞ」 そういって差し出されたのは ![]() 馬乳酒 馬乳酒キター\(・∀・)/ 馬乳酒、それは文字どおり馬の乳を発酵させてつくったお酒であるが、モンゴルでは老若男女問わず愛されている、国民的飲み物である。 そしてそれは、オレがモンゴルでもっとも楽しみにしていた飲み物でもあった。その馬乳酒がいま目の前に... が、 チョット待て、そういやまだお昼前だったよな。 この時間から飲んだくれてるのは、いくら何でもマズイのでは? (しかも乗馬の最中だし) 「すみません、乗馬があるのでお酒は...」 「だいじょうぶです、馬乳酒はお酒じゃありません。だから、心配はいりません」 なるほど、確かに初音ミクだって萌え系歌手みたいな名前であるが実際には萌え系サウンドソフトであるし、馬乳酒だってお酒みたいな名前であるが実際には違う飲み物であるかもしれない。 しかし、 実際にアルコールが入っているのに酒とは類されない飲み物を、オレは今までの人生で聞いたことがない。 うーん、悪いがやっぱりここはやんわりと断ったほうがよさそうだ。オレはプーチーさんに視線を向け目で助けを求めた。 ちなみにプーチーさんは、スーツケースなど乗馬に不要な荷物を車で運んでくれているのであるが、オレが視線を向けたとき彼は杯を空にしていた。 アンタ、運転手だろ... 「あー飲んだ飲んだ。さー、そろそろ行こうか、ヒック。大草原がオレを待っている。モンゴル最高、うーい、ヒック」 数分後、馬乳酒ですっかりイイ気分になっていたオレがそこにいた。 え、飲酒運転? ここは雄大な自然が広がる草原の国。細かいことは気にしない気にしない。 アルコールの力も借りて話は後編に続きます。 *日本では飲酒運転は犯罪行為です。絶対にマネをしないようお願いします。 |